読書のポイントともいえる本選びの際に、いつも気を付けていることがあります。
それは、自分の考えが偏らないように、選ぶテーマ内において、できるだけ幅広い立場、視点の本を読み、極力中立・中道から判断したい。
なので、「気候変動(地球温暖化)」に関する本についても、推進派(脅威派)、反対派(懐疑派)両方の立場から本選びをしています。
今回は、「地球温暖化」懐疑派が著者の本です。
脅威派に対して、
「CO2は大気の0.04%を占める。化石資源の燃焼など人間活動が大気に出すCO2は、自然活動で出る総量の3.5%でしかない。
また、温室効果の95%までは水蒸気H2Oが担っている。温室効果ガスの全部を合わせても大気の約2%しか占めない。
それほどわずかな人為起源CO2に気候を変えるパワーがあるというのか?」
「気候を変える要因には、太陽のほか火山噴火や地軸の傾き、水蒸気、メタン、雲、海水循環、プレート運動、地球表面のアルベド(反射率)、大気の循環、宇宙線、炭素系ススなど浮遊粒子、森林伐採、土地利用と無数にある」
「産業革命よりはるか前、そんな高温期がなぜあったのか?事実だとすれば、いま進行している気温変動の原因はどう考えればいいのか?」
「クライメートゲート事件では、英国イーストアングリア大学にある気象庁気候研究ユニットのサーバーから誰かが大量の交信メールを流出させた。
メールを読むとIPCCの関係者が共謀し、脅威論に反する研究結果やデータを隠したとわかる。
関係者の脅威派は、懐疑派の論文を載せないよう学術誌の編集長に圧力をかけてもいた」
「地球を壊すのは、権力と利益を求める資本家や巨大企業とそのカルテルです」
「温暖化の『科学』は詐欺なのだが、大企業は何兆円もの商売になる。
企業の広告費にぶら下がる大手メディアも詐欺に加担してしまう」
「温暖化論は、『科学の話じゃない、国際政治や経済の話』」
「本質はこう。気候変動の要因は何百もある。うち1個だけを政治屋が選び、それをいじれば気温が意のままに変わるのだと。
狂気の発想だといえよう。だまされた大衆こそ、いい面の皮だ。
日時をどうにでもとれるノストラダムスの予言に似て『証拠』も『的中』も言ったもの勝ちになっている」
「温暖化騒ぎの背後には、世界の一元管理やグローバル統治(ガバナンス)、先進国の景気後退、富の再配分を望む人々がいる」
「温暖化政策は、貧困国の経済成長を阻み、便利な化石資源を使えなくする。
要するに脅威論者の言動は、『現代の植民地主義』といえそうな状況を生む」
この本を読んだ感想。
本全体として、懐疑派の専門家等の論文・意見を断片的に切り抜いて、大量に寄せ集めるといった構成。
様々な、専門家等の論文・意見の寄せ集めを通して、懐疑派のストーリーとして仕上げている。
温暖化論が強欲な資本主義の新たなマーケットづくりであるという点は同意。
ただ、懐疑派についても、これまでの強欲な資本主義を構成する既得権益保持グループによる抵抗ともいえるのでは?
つまり、強欲な資本主義勢力達の権力争いの場が「気候変動」?
一方、民主主義の方ではどうか。
温暖化脅威派による
「たとえ温暖化論が誤りでも、温暖化を防ぐための経済政策や環境政策は正しい」というコメント。
「気候変動」なら、右派も左派もどちらも取り込めるので、政治的にも都合が良い?
ならば、「気候変動」は、資本主義・民主主義双方の権力者に都合のよいツール?
そして、
「当面まだ生まれていない優秀な蓄電システムが完成したら、話は終わる。どの国の市民もスーパーで買ったソーラー発電装置一式を自宅にとりつけ、送電網から切り離せるような日が来れば、温暖化の『対策』をめぐる論争を意味を失う」
このシステムの完成(脱化石)により、持続可能な社会が実現するならば、ここへと進む近道は、温暖化脅威派、懐疑派のどちらの道が近いだろうか?
ただ、そのために何がどれほど犠牲になるのか?
これらを考えながら、自身のカーボン・ニュートラル生活を進めていきたい。
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