2018年09月21日

北電の供給力はこれからどうなるか?(5)


こんにちは、セミリタイア夫婦(夫)です。

昨日の記事の中において発生した、検証すべき課題。
それは奈井江発電所は、現在稼働中かどうかだ。
供給の推移の始点である9月13日時点の北海道電力の電力供給力は353万キロワット。
その内訳として火力発電所が172万キロワット。
その中に奈井江発電所が入っているかどうか。

すでに供給力に入っていれば、2019年3月以降は、休止するため、供給力から減らす必要があり(ただ、廃止でなく、休止のため同時に潜在供給力にもなる)、
入っていなければ、潜在供給力となる。昨日時点では、不明のため保留としていた。

ここで、今おこなっている、供給力推移の始点となる日経記事についても下記で振り返っておく。

(転載開始)

北海道電力の電力供給力(13日時点)    
火力発電所 172万キロワット   
水力発電所 70万  13日京極20万キロワット 
他企業の自家発電 50万   
本州からの供給 40万   
北海道ガスのLNG火力発電所 7.5万   
合 計 約350万   
+(今後稼働)    
京極揚水発電所2号機(14日)   20万キロワット    
苫東厚真火力発電所1号機(9月末以降) 35万 
同2号機(10月中旬以降)   60万 
同4号機(11月以降)   70万 
計165万キロワット
太陽光発電や風力発電は11日から順次接続しているが、天候で出力が変動するため、固定的な供給力としては組み入れていない。
  
(転載終了)

この新聞記事では、9月13日時点の北海道電力の電力供給力は353万キロワットと別に記載がある。
転載内の内訳をみてみる。

火力発電所 172万キロワット
水力発電所 70万キロワット
京極揚水発電所1号機 20万キロワット
他企業の自家発電 50万キロワット
本州からの供給 40万キロワット
(北本連系設備)
ここまでで352万キロワットとなり、353万キロワットとほぼ同数値となる。

問題は、北海道ガスのLNG火力発電所7.5万は、火力発電所に入るのか、それとも入らないのか?

北海道ガスのLNG火力発電所7.5万を加えてしまうと足し算が合わない。新聞記事の合計が約350万となっているが、約360万となってしまう。
この北海道ガスのLNG火力発電所7.5万が352万キロワットに追加して入るならば、約360万キロワットとなる。
一方、北海道ガスのLNG火力発電所7.5万が火力発電所の内訳(172万キロワット)内に入っているならば約350万キロワットとなる。
どちらか分からなかったので、これまで、幅をもたせ、9月13日の供給力は、350〜360万キロワットということにしていた。

検証のポイントとなるのは、火力発電所172万キロワットの中に奈井江発電所が含まれていたかどうか。
そしてもう1つ。北海道ガスのLNG火力発電所7.5万が火力発電所の内訳である172万キロワットの中に含まれるのかどうか。172万キロワットに含まれるならば、始点での供給力は約350万キロワット。含まれないならば約360万キロワットということ。

それでは、奈井江発電が13日時点で稼働していたか検証をはじめる。

13日時点での火力発電は172万キロワット。
北電のHPから火力発電所の施設をみると、

〇火力発電所

発電所名 出力(kW)使用燃料 運転開始年月

砂川3号機  125,000   石炭   1977年6月
  4号機  125,000       1982年5月
奈井江1号機 175,000   石炭   1968年5月
   2号機 175,000       1970年2月
苫小牧1号機 250,000 重原油・天然ガス 1973年11月
伊達1号機  350,000   重油  1978年11月
  2号機  350,000       1980年3月
苫東厚真1号機 350,000  石炭  1980年10月
    2号機 600,000      1985年10月
    4号機 700,000      2002年6月
知内1号機  350,000   重油   1983年12月
  2号機  350,000       1998年9月

〇ガスタービン発電所

発電所名 出力(kW)使用燃料 運転開始年月

音別       148,000   軽油       1978年5月

他に離島の火力発電所があるが、ここでは除く。
これらが北電の火力発電所の設備。

この中で、13日時点でどの火力発電所が稼働していなかったのか1つづつみていく。

砂川3号機  125,000   
  4号機  125,000   
奈井江1号機 175,000   
   2号機 175,000   
苫小牧1号機 250,000  右矢印111月から稼働
伊達1号機  350,000  
  2号機  350,000   
苫東厚真1号機 350,000 右矢印1地震により停止
    2号機 600,000 右矢印1地震により停止
    4号機 700,000 右矢印1地震により停止 
知内1号機  350,000  
  2号機  350,000  右矢印111月から稼働 

音別       148,000  右矢印111日の時点で停止

13日時点で稼働していなかったであろう火力発電所を除いた。

次に、稼働していたであろう火力発電所を合計すると165万キロワット

砂川3号機  125,000  〇 
  4号機  125,000  〇 
奈井江1号機 175,000  〇 
   2号機 175,000  〇 
苫小牧1号機 250,000  右矢印111月から稼働
伊達1号機  350,000  〇
  2号機  350,000  〇 
苫東厚真1号機 350,000 右矢印1地震により停止
    2号機 600,000 右矢印1地震により停止
    4号機 700,000 右矢印1地震により停止 
知内1号機  350,000  〇
  2号機  350,000  右矢印111月から稼働 

音別       148,000  右矢印111日の時点で停止

〇が13日時点で稼働していたであろう発電所と推測できる。

これは、13日時点の火力発電所、 計172万のうち165万となる。

7万キロワットが不足する。

ということは、おそらく、北海道ガスのLNG火力発電所 7.5万キロワットが172万キロワットに含まれているということだろう。

火力発電所172万キロワットに含まれていたので、13日時点の供給力は約350万キロワットと推測される。(350〜360キロワットから修正。約352万だが、見やすさを重視しておくために約350にしておく)

火力発電所172万キロワットが動いていたということは、当然、〇印の奈井江発電所も動いていたことになる。

つまり、現在も奈井江発電所は動いているということだろう。
(これらは、あくまで、推測ではあるが)

これらにより、以下に修正する。

『9月13日の供給力は、約350万キロワット(新聞記事では、353万キロワット)。

9月14日の供給力は、約370万キロワットに。
これは、京極揚水発電所2号機20万キロワットの再稼働による。

9月19日の供給力は、約405万キロワットに。
これは、苫東厚真火力発電所1号機35万キロワットの再稼働(予定)による。

10月中旬以降の供給力は、約465万キロワットに。
これは、苫東厚真火力発電所2号機60万キロワットの再稼働(予定)による。

11月以降の供給力は、約620万キロワットに。
これは、苫東厚真火力発電所4号機(70万キロワット)、知内発電所2号機(35万キロワット)と苫小牧発電所(25万キロワット)、苫小牧共同発電所(25万キロワット)再稼働(予定)による。

2019年2月以降の供給力は、約660万キロワットに。
これは、2月に石狩湾新港発電所1号機56万9400キロワットが新設(予定)。2月に音別発電所14万8千キロワットが廃止(予定)。

2019年3月以降の供給力は、約655万キロワットに。
これは、3月に北本連系線が60万から90万キロワットへ30万キロワット拡張(予定)。3月に奈井江発電所35万キロワットが休止(予定)。

これらの供給力には太陽光発電や風力発電は入っていないので、その分は供給増要素。一方、本州からの供給(北本連系線)や他企業の自家発電は供給減の可能性もある。

他に北本連系線の最大供給力と上記積み上げ分の差(20万キロワット)、そして、2019年3月以降、奈井江発電所(休止)35万キロワットが潜在供給力として存在する』


〇これまでの記事

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