こんにちは、セミリタイア夫婦(夫)です。
これまで北電の供給力の推移を日経新聞記事と北電HP情報のみで見てきています。
現時点での推移が、下記です。
『9月13日の供給力は、約350万キロワット(新聞では、353万キロワット)。
9月14日の供給力は、約370万キロワットに。
これは、京極揚水発電所2号機20万キロワットの再稼働による。
9月19日の供給力は、約405万キロワットに。
これは、苫東厚真火力発電所1号機35万キロワットの再稼働(予定)による。
10月中旬以降の供給力は、約465万キロワットに。
これは、苫東厚真火力発電所2号機60万キロワットの再稼働(予定)による。
11月以降の供給力は、約620万キロワットに。
これは、苫東厚真火力発電所4号機(70万キロワット)、知内発電所2号機(35万キロワット)と苫小牧発電所(25万キロワット)、苫小牧共同発電所(25万キロワット)再稼働(予定)による。
2019年2月以降の供給力は、約660万キロワットに。
これは、2月に石狩湾新港発電所1号機56万9400キロワットが新設(予定)。2月に音別発電所14万8千キロワットが廃止(予定)。
2019年3月以降の供給力は、約655万キロワットに。
これは、3月に北本連系線が60万から90万キロワットへ30万キロワット拡張(予定)。3月に奈井江発電所35万キロワットが休止(予定)。
これらの供給力には太陽光発電や風力発電は入っていないので、その分は供給増要素。一方、本州からの供給(北本連系線)や他企業の自家発電は供給減の可能性もある。
他に北本連系線の最大供給力と上記積み上げ分の差(20万キロワット)、そして、2019年3月以降、奈井江発電所(休止)35万キロワットが潜在供給力として存在する』
2018年1月の最大需要は約525万キロワット。
来年1月の需要が前年並みで、また、苫東厚真火力発電所の復旧が順調に推移すれば、火力、水力、本州からの供給、他企業自家発電からの供給のみで、今年11月以降で、実際には約640万キロワット(約620万キロワットに北本連系線の最大供給力と上記積み上げ分の差20万キロワットを加える)あるので、今年の冬はクリアできそう。
それ以降2月には約680万キロワット、3月には約675万キロワットの供給力がある。
これだけの供給力があるにもかかわらず、心配の声があがっている。
(転載開始:関連部分のみ転載)
このNEWS―北海道、綱渡りの電力復旧、観光や農業に爪痕深く(THISWEEKREVIEW)
2018/09/22 日本経済新聞 朝刊
2018/09/22 日本経済新聞 朝刊
地震でブラックアウトに陥った北海道。国や北海道電力が最初にやるべきことは電力の供給量を積み増し、停電を解消することだった。
地震前の最大ピーク需要は383万キロワット。地震前より1割の需要削減を要請する一方、動かしていなかった古い発電所を稼働させたり、
企業が持つ自家発電所を電力系統に接続したりして供給力を確保した。
それでも地震前並みの安定供給を取り戻すには苫東厚真発電所の再稼働が必要だった。9月末以降としていた1号機は損傷が想定より小さく、19日に再稼働を前倒しできた。
とはいえ、他の発電所にもリスクがある。多くは稼働から40年以上が経過する老朽設備だ。火力発電所の耐用年数は一般的に運転開始から40年とされる。
稼働からちょうど40年の音別発電所2号機(釧路市、7万4千キロワット)は11日、ガスタービンの異常振動により緊急停止。
老朽火力のトラブル次第では再び電力需給が逼迫する可能性もあり、北海道電の藤井裕副社長は「再度の節電要請を検討する可能性もある」と話す。
地震前の最大ピーク需要は383万キロワット。地震前より1割の需要削減を要請する一方、動かしていなかった古い発電所を稼働させたり、
企業が持つ自家発電所を電力系統に接続したりして供給力を確保した。
それでも地震前並みの安定供給を取り戻すには苫東厚真発電所の再稼働が必要だった。9月末以降としていた1号機は損傷が想定より小さく、19日に再稼働を前倒しできた。
とはいえ、他の発電所にもリスクがある。多くは稼働から40年以上が経過する老朽設備だ。火力発電所の耐用年数は一般的に運転開始から40年とされる。
稼働からちょうど40年の音別発電所2号機(釧路市、7万4千キロワット)は11日、ガスタービンの異常振動により緊急停止。
老朽火力のトラブル次第では再び電力需給が逼迫する可能性もあり、北海道電の藤井裕副社長は「再度の節電要請を検討する可能性もある」と話す。
(転載終了)
老朽火力発電所が多いから、心配という声。
北電の火力発電所の施設をみると、
火力発電所
発電所名 出力(kW)9.13日稼働状況 運転開始年月 40年超え
砂川3号機 125,000 〇 1977年6月 41年 ◎
4号機 125,000 〇 1982年5月 36年
奈井江1号機 175,000 〇(2019.3休止) 1968年5月 50年 ◎
2号機 175,000 〇(2019.3休止) 1970年2月 48年 ◎
苫小牧1号機 250,000
11月から稼働 1973年11月 45年 ◎
伊達1号機 350,000 〇 1978年11月 40年 ◎
2号機 350,000 〇 1980年3月 38年
苫東厚真1号機 350,000
19日から稼働中1980年10月 38年
2号機 600,000
9月末稼働予定 1985年10月 33年
4号機 700,000
地震により停止 2002年6月 16年
知内1号機 350,000 〇 1983年12月 35年
2号機 350,000
11月から稼働 1998年9月 20年
4号機 125,000 〇 1982年5月 36年
奈井江1号機 175,000 〇(2019.3休止) 1968年5月 50年 ◎
2号機 175,000 〇(2019.3休止) 1970年2月 48年 ◎
苫小牧1号機 250,000

伊達1号機 350,000 〇 1978年11月 40年 ◎
2号機 350,000 〇 1980年3月 38年
苫東厚真1号機 350,000

2号機 600,000

4号機 700,000

知内1号機 350,000 〇 1983年12月 35年
2号機 350,000

音別 148,000
11日の時点で停止 1978年5月 40年 ◎

〇は13日時点で稼働していたであろう発電所と推測できる。
◎は40年超えの火力発電所。
◎は40年超えの火力発電所。
確かに、40年を超えた火力発電所は多い。
現在稼働していると予想される火力発電所は8か所。13日から稼働中〇印の7か所(砂川3、4号機、奈井江1、2号機、伊達1、2号機、知内1号機)に19日から再稼働した苫東厚真1号機を加えて。
その内、40年を超えているのは、4か所。(砂川3号機、奈井江1、2号機、伊達1号機)
その内、40年を超えているのは、4か所。(砂川3号機、奈井江1、2号機、伊達1号機)
稼働中の火力発電所の半分だ。出力でいうと稼働中の200万キロワットの内、82万5千キロワットが40年超えの発電所供給分。
現時点での北電の供給力(9月19日以降の供給力)は、約405万キロワットに北本連系線の最大供給力と上記積み上げ分の差20万キロワットを加えた約425万キロワット。
この供給力には太陽光発電や風力発電は入っていない。
仮に火力発電の老朽化が原因で、40年超えの火力発電4か所が全て同時に停止したとして、失われるのは82万5千キロワット。
(砂川3号機12万5千、奈井江1、2号機35万、伊達1号機35万)
この結果、供給力は、約425万キロワットから342万5千キロワットに下がる。この供給力で大丈夫なのか?
2017年9月の最大需要時間帯は27日(水)の17〜18時で約381万キロワット。供給力が不足することになる。
そこで、1割節電するならば約343万キロワットになり、なんとかぎりぎりだ。
記事で、北海道電の藤井裕副社長は「再度の節電要請を検討する可能性もある」としているのは、このことを懸念してのことだろう。
ただ、前提が、40年超えの火力発電が4か所全て同時に停止するという発生可能性の高くない状況を想定していること。
この供給力には太陽光発電や風力発電は入っていないこと。
さらに、来週から、苫東厚真2号機が稼働予定の報道もあるので、60万キロワットが加わること。
を考慮すれば、必要以上に心配しなくても大丈夫では?再びブラックアウトが発生するということがなければ・・・。
そもそも、火力発電の老朽化は、ブラックアウト以前と変化があるわけではなく、北電は、もともと、そういった火力発電設備だったのだから。
苫東厚真発電所の復旧により元に戻っていくだけだ。
2019年2月に石狩湾新港発電所1号機56万9400キロワットが新設予定なので、火力発電というカテゴリーの中でも、新旧交代は、進んでいく。
また、新聞記事では、『稼働からちょうど40年の音別発電所2号機(釧路市、7万4千キロワット)は11日、ガスタービンの異常振動により緊急停止。
老朽火力のトラブル次第では再び電力需給が逼迫する可能性もあり、』
とあるが、そもそも現在、音別発電所は稼働していないと思われるので、この発電所が原因で今より電力需給が逼迫する可能性は全くない。
老朽火力問題は苫東厚真発電所の復旧と石狩湾新港発電所新規稼働によって解消されるはず。
〇これまでの記事
〇情報サイト
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