2018年09月23日

水力発電所の潜在供給力がすごい。北電の供給力はこれからどうなるか?(7)



こんにちは、セミリタイア夫婦(夫)です。

9月13日時点の北海道電力の電力供給力は353万キロワットの内訳に再び戻る。
これまで、北電の設備の中で火力発電所についてみてきた。
今回は水力発電所についてみてみる。

転載内の内訳をみてみると
水力発電所 70万キロワット
13日時点の供給力353万キロワットの内、水力発電所は70万キロワットということだった。
一方、北電のHPによると、水力発電所設備は下記内容。

ダム式(593120kW)
発電所名 水系・湖沼名 出力(kW)運転開始日
新忠別   石狩川    10,000 2006年10月
野花南   石狩川    30,000 1971年8月
芦別    石狩川    10,000 1953年2月
朱鞠内   石狩川     1,120 2013年3月
小樽内   石狩川    7,000 1989年6月
十勝    十勝川    40,000 1985年5月
新冠    新冠川    200,000 1974年8月
下新冠   新冠川    20,000 1969年9月
東の沢   静内川    21,000 1987年2月
高見    静内川    200,000 1983年7月
静内    静内川    46,700 1966年11月
双川    静内川     7,300 1979年9月

ダム水路式(499090kW)
発電所名 水系・湖沼名 出力(kW)運転開始日
雨竜    石狩川    51,000 1943年8月
大雪    石狩川    20,000 1975年6月
層雲峡   石狩川    25,400 1954年10月
上川    石狩川    12,000 1929年12月
金山    石狩川    25,000 1967年7月
滝里    石狩川    57,000 1999年7月
瀬戸瀬   湧別川    25,000 1980年4月
湧別川   湧別川      690 1924年2月
豊平峡   石狩川    51,900 1972年6月
砥山    石狩川    10,200 1972年5月
藻岩    石狩川    12,600 1936年9月
富村    十勝川    41,300 1978年8月
新岩松   十勝川    16,000 2016年1月
奥沙流   沙流川    15,800 1994年4月
右左府   沙流川    25,000 1961年8月
岩知志   沙流川    14,300 1958年7月
奥新冠  新冠川・沙流川 44,000 1963年8月
岩清水   新冠川    15,000 1959年8月
春別   静内川・新冠川 28,500 1963年10月
相沼内   相沼内川    2,000 1930年12月
磯谷川第一 磯谷川・常路川 2,400 1924年6月
ピリカ   後志利別川   4,000 1991年5月

水路式(157945kW)
発電所名 水系・湖沼名 出力(kW)運転開始日
真勳別   石狩川    18,000 1941年4月
安足間   石狩川    11,500 1927年1月
愛別    石狩川     5,600 1925年2月
江卸    石狩川    13,800 1945年8月
忠別川   石狩川     3,900 1913年2月
志比内   石狩川     1,600 1923年1月
鴛泊   ノドットマリ川   170 1958年5月
清川   ヤムナイ沢川    75 1959年12月
ユコマンベツ 石狩川     710 2014年6月
定山渓   石狩川    1,570 1909年2月
寒別    尻別川    1,900 1924年12月
比羅夫   尻別川    12,000 1940年11月
昆布    尻別川    9,000 1938年12月
蘭越    尻別川    5,700 1951年10月
然別第一  然別湖    13,500 1953年6月
然別第二 然別湖・十勝川 7,100 1953年8月
上岩松 1号 十勝川    20,000 1956年8月
  2号 然別湖・十勝川 10,400 1953年8月
日高    沙流川    10,000 1998年4月
磯谷川第二 磯谷川・常路川 1,250 1929年7月
七飯  折戸川・尾白内川 10,000 1965年2月
ホヤ石川  ホヤ石川    170 1961年3月

これら水力発電設備の出力を合計すると1250155kW。
約125万キロワットとなる。

13日時点の供給力353万キロワットの内、水力発電所は70万キロワットということだった。
そのため、北電所有の水力発電設備には約55万キロワットの供給余力があることになる。
水力発電設備が約125万キロワットあるのに、13日時点で70万キロワットとしているのには、水力発電設備ならではの特性があるのかもしれないが、一応、潜在供給力として、約55万キロワットとしておく

それにしても、水力発電所の潜在供給力がすごい。
約55万キロワットといえば、苫東厚真2号機(60万キロワット)に匹敵する規模。
潜在供給力がどんどん膨らんでいく。

これを考慮して、供給力の推移を下記に修正する。

『9月13日の供給力は、約350万キロワット(新聞では、353万キロワット)。

9月14日の供給力は、約370万キロワットに。
これは、京極揚水発電所2号機20万キロワットの再稼働による。

9月19日の供給力は、約405万キロワットに。
これは、苫東厚真火力発電所1号機35万キロワットの再稼働(予定)による。

10月中旬以降の供給力は、約465万キロワットに。
これは、苫東厚真火力発電所2号機60万キロワットの再稼働(予定)による。

11月以降の供給力は、約620万キロワットに。
これは、苫東厚真火力発電所4号機(70万キロワット)、知内発電所2号機(35万キロワット)と苫小牧発電所(25万キロワット)、苫小牧共同発電所(25万キロワット)再稼働(予定)による。

2019年2月以降の供給力は、約660万キロワットに。
これは、2月に石狩湾新港発電所1号機56万9400キロワットが新設(予定)。2月に音別発電所14万8千キロワットが廃止(予定)。

2019年3月以降の供給力は、約655万キロワットに。
これは、3月に北本連系線が60万から90万キロワットへ30万キロワット拡張(予定)。3月に奈井江発電所35万キロワットが休止(予定)。

これらの供給力には太陽光発電や風力発電は入っていないので、その分は供給増要素。一方、本州からの供給(北本連系線)や他企業の自家発電は供給減の可能性もある。
他に北本連系線の最大供給力と上記積み上げ分の差(20万キロワット)、そして、2019年3月以降、奈井江発電所(休止)35万キロワット、さらに水力発電設備から、約55万キロワットが潜在供給力として存在する。これらの潜在供給力合計は約110万キロワット

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