2018年09月27日

北電の火力発電が老朽化しているのには理由がある?北電の供給力はこれからどうなるか?(11)


こんにちは、セミリタイア夫婦(夫)です。

新日鉄住金室蘭製鉄所や日本製紙釧路工場は、企業のHPを調べて知ったのだが、独立系発電業者(IPP)。
独立系発電業者(IPP)とは、自前の発電施設で作った電気を電力会社に販売する企業のこと。
自家発電を超える分の電気を電力会社に販売している。
石油を精油する企業や製鉄所を持っている企業が、工場の排熱を利用し発電を行ったり、
自社にある発電施設の有効活用という目的で独立系発電事業者に参入したりするケースが多いよう。

電力を売る側(IPP)にしてみたら、製造の過程で生じたこれまで廃棄されていたようなエネルギーが有効に活用される。
電力会社からしてみたら、自前で発電所をつくるコストを削減できる
他社の発電設備を組み込んだ上で、北電の設備新設計画を立てる方が、合理的なハズ。
北電からしてみれば、「他人のふんどしで相撲をとる」とまではいわないが、自前での膨大な建設コストを削減できる。
と考えるのでは。
設備を新設して、供給ばかり増えても需要がそれだけ増えなければ、宝の持ち腐れだ。

消費者にとっても、電力会社の巨額の設備投資、維持費用が抑えられることになるので、電力料金の低下の要素になるのでは。

一方、新聞報道では、北電の火力発電所の老朽化を盛んに報じる
来年の2月に石狩湾新港発電所1号機56万9400キロワットが新設する(2026年2号機、2030年3号機も予定)という報道は控えめに感じると同時に独立系発電業者(IPP)の発電設備についても見えてこない。

北電の火力発電所の施設をみてみると、

火力発電所

発電所名 出力(kW)9.13日状況 運転開始年月 40年超え

砂川3号機  125,000  〇      1977年6月  41年 ◎
  4号機  125,000  〇      1982年5月 36年
奈井江1号機 175,000  〇19.3休 1968年5月  50年 ◎
   2号機 175,000  〇19.3休 1970年2月  48年 ◎
苫小牧1号機 250,000 右矢印111月から 1973年11月 45年 ◎
伊達1号機  350,000  〇        1978年11月 40年 ◎
  2号機  350,000  〇      1980年3月  38年
苫東厚真1号機 350,000 右矢印119日から 1980年10月 38年
    2号機 600,000 右矢印110月中旬 1985年10月 33年
    4号機 700,000 右矢印125日から2002年6月 16年
知内1号機  350,000  〇        1983年12月 35年
  2号機  350,000 右矢印125日から 1998年9月 20年

音別       148,000  右矢印111日停止 1978年5月 40年 ◎ 

〇は13日時点で稼働していたであろう発電所と推測できる。
◎は40年超えの火力発電所

確かに老朽化しているように感じる。
これに新設の石狩湾新港発電所1号機や他社の発電所を加えてみる

北電火力発電所

発電所名 出力(kW)9.13日状況 運転開始年月 40年超え

砂川3号機  125,000  〇       1977年6月  41年 ◎
  4号機  125,000  〇      1982年5月 36年
奈井江1号機 175,000  〇19.3休止 1968年5月  50年 ◎
   2号機 175,000  〇19.3休止 1970年2月  48年 ◎
苫小牧1号機 250,000  右矢印111月から 1973年11月 45年 ◎
伊達1号機  350,000  〇         1978年11月 40年 ◎
  2号機  350,000  〇      1980年3月  38年
苫東厚真1号機 350,000 右矢印119日から 1980年10月 38年
    2号機 600,000 右矢印110月中旬 1985年10月 33年
    4号機 700,000 右矢印125日から 2002年6月 16年
知内1号機  350,000  〇           1983年12月 35年
  2号機  350,000  右矢印125日から 1998年9月 20年

音別       148,000  右矢印111日停止 1978年5月 40年 ◎ 
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新設発電所

石狩湾1号機 569,400           2019年2月 0年
石狩湾2号機 569,400             2026年12月 -8年
石狩湾2号機 569,400             2030年12月 -12年 
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他社発電所

日本製紙   80,000                2004年2月 14年
新日鉄住金 125,000                2013年4月  5年

こうしてみると老朽化への対応は進んでいるように見えるようになる。
新日鉄住金は、12万5千キロワットの発電出力の自家発電設備が2013年4月から稼働している。
新聞報道では、「33万キロワットの自家発電能力を持ち」ともあったので、12万5千キロワット以上の供給も可能なのかもしれない。

12万5千キロワットの発電設備は、北電の火力発電所でいえば、砂川3号機や4号機クラスの発電能力。
北電が自前で発電所を作らなくても、独立系発電業者(IPP)が新規の発電所を稼働してくれている。

北電の老朽火力発電設備への対応が遅れて見えるのは、こうした独立系発電業者(IPP)とのバランスを北電が見ているからなのでは?

他社を含めた上で、計画的に準備をしているにも関わらず、老朽化を宣伝し、不安を煽っていないだろうか?

今のままでは、電力の供給が不足しそうだし、不安だ。というように意図的に操作したがってはいないだろうか?


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