こんにちは、セミリタイア夫婦(夫)です。
前回、北電の供給力はこれからどうなるか?(14)では、
@供給予備率が16.4%あるので、今年の電力需給に全く不安はないということ。
➁苫東厚真発電所が全基一斉停止しても供給予備率最低ライン3%を超えるから大丈夫ということ。
を検証した。そこから、
北海道では、最大の電力需要期の厳冬期においてさえ、
苫東厚真火力発電所、石狩湾新港発電所、太陽光発電、風力発電等、そして泊原発が稼働していなくても
電力の供給力に問題がないということが確認できた。
今回は、昨日の新聞記事を元に、2月に営業運転を予定する、石狩湾新港ガス火力発電所1号機を含めた供給予備力を検証する。
前回報道と一部重複する内容もあるが、全文掲載。
(転載開始)
北電、地震で特損42億円――今冬、安定供給にメド。
2018/11/01 日本経済新聞 地方経済面
2018/11/01 日本経済新聞 地方経済面
北海道電力が公表した電力需給見通しによれば、今冬の電力の安定供給には一定のメドがたった。
同社は苫東厚真火力発電所(厚真町)の全3基に匹敵する供給力が厳冬期に失われたとする想定を、需給見通しとしては初めて試算。
企業の自家発電の出力を高めることなどで、電力を確保できるとしている。
北電は気温が低くなり暖房などで電気を多く使用する12〜2月の電力需要は525万キロワットと試算する一方、供給力は610万キロワット台を確保できるとした。
定期検査に入っていた苫小牧火力発電所(苫小牧市、出力25万キロワット)と苫小牧共同火力発電所(同、25万キロワット)の再稼働も織り込んだ。
需要に対する供給の余裕度を示す「予備率」は、需給が最も逼迫する2月でも16・4%となった。安定供給に最低限必要とされる3%を上回る。
道内最大の火力発電所である苫東厚真火力の全3基に匹敵する154万キロワット(家庭や事業所に届くまでのロスを差し引いた送電端ベース)の供給力が厳冬期に大規模災害などの理由で一時失われても、予備率3・3%を確保できるとする試算も示した。
北海道と本州を結ぶ緊急送電線「北本連系設備」の60万キロワットフル稼働のほか、9月の地震での実績から自家発の出力増加分16万キロワットが期待できるとした。
2月の営業運転を予定する石狩湾新港ガス火力発電所1号機(小樽市、56万9千キロワット)が動けば、
苫東厚真3基に匹敵する供給力を失っても13・8%の予備率を確保できるという。
同社は苫東厚真火力発電所(厚真町)の全3基に匹敵する供給力が厳冬期に失われたとする想定を、需給見通しとしては初めて試算。
企業の自家発電の出力を高めることなどで、電力を確保できるとしている。
北電は気温が低くなり暖房などで電気を多く使用する12〜2月の電力需要は525万キロワットと試算する一方、供給力は610万キロワット台を確保できるとした。
定期検査に入っていた苫小牧火力発電所(苫小牧市、出力25万キロワット)と苫小牧共同火力発電所(同、25万キロワット)の再稼働も織り込んだ。
需要に対する供給の余裕度を示す「予備率」は、需給が最も逼迫する2月でも16・4%となった。安定供給に最低限必要とされる3%を上回る。
道内最大の火力発電所である苫東厚真火力の全3基に匹敵する154万キロワット(家庭や事業所に届くまでのロスを差し引いた送電端ベース)の供給力が厳冬期に大規模災害などの理由で一時失われても、予備率3・3%を確保できるとする試算も示した。
北海道と本州を結ぶ緊急送電線「北本連系設備」の60万キロワットフル稼働のほか、9月の地震での実績から自家発の出力増加分16万キロワットが期待できるとした。
2月の営業運転を予定する石狩湾新港ガス火力発電所1号機(小樽市、56万9千キロワット)が動けば、
苫東厚真3基に匹敵する供給力を失っても13・8%の予備率を確保できるという。
(転載終了)
今回は、新聞報道を元に、苫東厚真火力発電所、石狩湾新港発電所が稼働している状況での供給予備率を計算し、さらに予備率3.3%(「北本連系設備」のフル稼働や企業の自家発電のたき増し協力などを含めた)の状態において、苫東厚真火力発電所と石狩湾新港ガス火力発電所1号機が稼働した場合の供給予備率を計算してみる。
つまり、新聞報道ベースでの北電のMAX供給力をみていきたい。
北電の供給力を、北電発表に従い「供給予備力」から計算してみる。
供給予備力について。(北電HP)http://denkiyoho.hepco.co.jp/area_forecast.html
北電によると、需要規模が525万キロワット、供給予備率が16.4%。それをもとに供給予備力を計算すると、86.1万キロワット。
供給力は525+86.1=611.1万キロワットということ。この供給力には、苫東厚真火力発電所3基分が含まれている。
ここまでは、前回記事で検証済み。
ここに2月運転の石狩湾新港ガス火力発電所1号機の56.9万キロワットを加えると供給予備力は86.1+56.9=143万キロワットとなる。
すると供給予備率は27.2%となる。
さらに前回記事で検証したところでは、苫東厚真火力発電所全基(154万キロワット)停止状況でも3.3%の供給予備率を確保するためには、『北海道と本州を結ぶ緊急送電線「北本連系設備」のフル稼働や企業の自家発電のたき増し協力などで供給を維持する』こととなる。
これによる供給増分は85.225万キロワット。
これを供給予備力に加えるとどうなるか?
供給予備力は86.1+56.9+85.225=228.225万キロワットとなる。
すると供給予備率は約43.5%となる。供給力でいえば525+228.225=753.225万キロワットだ。
整理すると、この753.225万キロワットは、苫東厚真火力発電所3基、石狩湾新港ガス火力発電所1号機稼働、「北本連系設備」のフル稼働や、企業の自家発電たき増し協力による供給力である。
念のため、新聞記事内の「石狩湾新港ガス火力発電所1号機(小樽市、56万9千キロワット)が動けば、苫東厚真3基に匹敵する供給力を失っても13・8%の予備率を確保できるという」から検算してみる。
供給力753.225万キロワットから苫東厚真3基に匹敵する供給力をマイナスする。
753.225−154=599.225万キロワット
ピーク需要525万キロワットとの差74.225万キロワットが供給予備力。
これは、供給予備率でいうと14.1%。報道の13・8%におおむね合致。
検算した結果、供給力が約753万キロワット、供給予備率が約43.5%は正しそうだ。
(ただ、2月に音別発電所14万8千キロワットが廃止予定なので、廃止時点で供給予備率は低下する。)
この供給予備率約43.5%の水準はどうなのか?
日本では、東日本大震災前には、電力会社の一般的な供給予備率は7〜10%だったようだ。
新聞記事では、安定供給に必要な最低限の供給予備率は3%となっている。
この供給予備力、供給予備率には、まだ、太陽光発電、風力発電等、そして泊原発は含まれていない。
泊原発、太陽光発電、風力発電がなくても、北海道の厳冬期のピーク需要の約1.5倍近くの供給力を北電は確保できるのだ。
〇これまでの記事
〇情報サイト
北電「北海道エリアの需給状況」
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