2018年11月11日

戦後、北電とともに北海道に電力の供給を行ってきたのは、電源開発(株)だった。北電の供給力はこれからどうなるか?(20)



こんにちは、セミリタイア夫婦(夫)です。

前回の記事で、北海道の企業4社の自家発電により、「他企業の自家発電」115.225万キロワットの内の、『59.275万キロワット+千歳発電所群(千歳川に5か所、漁川に1か所)?万キロワット』の供給力があることをみた。

今回は、電源開発(株)(J-POWER)についてみていく。
まずは、北電と電源開発(株)の関係について。
北海道電力株式会社は、戦後、日本発送電と北海道配電を引き継ぐ形で昭和26年(1951年)スタート。
創立時の発電能力は31.1888万キロワットだった。
北海道が広大で人口密度が小さく、電気事業の経営面に及ぼす影響が大きかった。

一方、全国的な電力不足を克服するため、1952年7月に「電源開発促進法」が成立。
この法律にもとづいて同年9月に設立された電源開発(株)(J-POWER)は、まず大規模水力発電の開発に取り組んだ。
そして、規模の小さかった北海道電力が広い供給地域をカバーするためにとったのは、次の行動だった。
『貯水式水力発電所の建設には、膨大な資金を必要とする。北海道電力は、水力開発資金の肥大化を阻止するためにきわめてユニークな方式を導入した。
水力開発において、他の事業者と分業するという方式が、それである。
分業による水力開発の出発点となったのは、昭和27年(1952年)に北海道電力副社長だった永田年が電源開発株式会社の理事に移籍した際に、あわせて、北海道電力が準備していた十勝川糠平系の水力開発計画にかかわるすべての権利を、電源開発(株)に譲ったことである。
この結果、北海道電力は、日高一貫開発に集中的に取り組むことができるようになり日高は北海道電力十勝は電発という、北海道における水力開発の基本的な分業体制が成立したのである』(「北海道電力50年の歩み」より)

つまり、戦後、電力需要が大きくなる時期に、北電とともに北海道に電力の供給を行ってきたのは、電源開発(株)だったのだ。

次に電源開発(株)の供給力についてみていく。
電源開発(株)のHPより電源開発(株)の持つ北海道の発電設備を下記に抜粋。
電源開発(株)の水力発電の設備をみると、確かに、十勝川水系の発電所が多く、昭和30年〜40年にかけて運転開始したダムが多い。
2000年以降は、風力発電にシフトしているようだ。

〇水力発電所

発電所名 水系-河川名    所在地  発電所形式  最大出力(kW)  運転開始

幌加  十勝川-音更川等  河東郡上士幌町 ダム水路式  10,000 S40.01.11
糠平  十勝川-音更川   河東郡上士幌町 ダム水路式   42,000 S31.01.17
芽登第一 十勝川-音更川等 足寄郡足寄町 ダム水路式 27,400  S33.01.10
芽登第二 十勝川-美里別川 足寄郡足寄町 ダム水路式  28,100 S33.10.28
足寄  十勝川-美里別川   足寄郡足寄町 ダム水路式  40,000 S30.10.10
本別  十勝川-利別川   中川郡本別町 ダム水路式  25,000 S37.09.15
熊牛  十勝川-十勝川   上川郡清水町 ダム水路式  15,400  S62.11.01
くったり 十勝川-十勝川  上川郡新得町 ダム式      470  H27.04.01
札内川 十勝川-札内川  河西郡中札内村 ダム式     8,000  H09.07.01
桂沢 石狩川-幾春別川  三笠市西桂沢   ダム水路式 15,000  S32.09.16
熊追 石狩川-芦別川等 三笠市桂沢   ダム水路式  4,900   S32.10.25

合計11カ所 21.627万キロワット

〇風力発電所

発電所名 所在地 発電所出力 運転開始

島牧ウインドファーム 4,500kW 2000年6月
苫前ウィンビラ発電所 30,600kW 2000年12月
さらきとまないウィンドファーム 14,850kW 2001年12月
瀬棚臨海風力発電所 12,000kW 2005年12月
上ノ国ウインドファーム 28,000kW 2014年3月

合計5カ所 8.995万キロワット

 ここまでをまとめると、
『企業別では、
王子HD:8.375万キロワット+千歳発電所群(千歳川に5か所、漁川に1か所)?万キロワット
日本製紙:8万キロワット
JXTGエネルギー:9.9万キロワット
新日鉄住金:33万キロワット
電源開発:21.627万キロワット
合計80.902万キロワット+千歳発電所群(千歳川に5か所、漁川に1か所)?万キロワット

(別枠:太陽光、風力)
王子HD:0.125万キロワット(太陽光)
電源開発:8.995万キロワット(風力)
合計9.12万キロワット』

『エネルギー別では、
火力:57.74万キロワット
水力:23.162万キロワット+千歳発電所群(千歳川に5か所、漁川に1か所)?万キロワット
合計80.902万キロワット+千歳発電所群(千歳川に5か所、漁川に1か所)?万キロワット

(別枠:太陽光、風力)
太陽光:0.125万キロワット
風力:8.995万キロワット
合計9.12万キロワット』

『「他企業の自家発電」の115.225万キロワットの内の、80.902万キロワット+千歳発電所群(千歳川に5か所、漁川に1か所)?万キロワット』
が5社による。

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