こんにちは、エスカルジュニア(夫)です。
今日から、北海道と本州を結ぶ緊急送電線「北本連系線」は、従来の60万キロワットから1.5倍の90万キロワットに増える。
「北本連系線」が去年1年間(2017年9月〜2018年8月)の間、どのように運用されてきたか見てみたい。
1時間毎の供給力から見る。
1年間は8760時間。
北電の供給力として、稼働中のものとしては、火力、水力、地熱、バイオマス、太陽光、風力、揚水、連系線がある。
このうち「北本連系線」の数値をみていくと、プラスの数値とマイナスの数値がある。
他にプラス・マイナスの数値があるのは「揚水」。
話を進めるにあたり、以下2点、懸念すべきことがある。
まず1点目、ここで、「北本連系線」のプラスの数値は、北電による他の電力会社からの電力購入分で、マイナスの数値は、他の電力会社への電力販売分であると推測して進める点。
そして、もう1点。北電サイト内での1MWh以下についての扱い方については、サイト内の数値をそのまま集計した。なので、1時間毎の供給力を積み上げていくと、1MWh以下の蓄積により、年間の本来の総供給力と差異が生じるのかもしれない点。
以上の2点、ご容赦いただいた上で、先に話をすすめる。
「北本連系線」の1年間の供給力は618680MWh(プラス分とマイナス分相殺後)。
プラスの数値(購入分)は、763453MWh。
マイナスの数値(販売分)は、-144773MWh。
北電全体の1年間の供給力は31245478MWhだったので、「北本連系線」618680MWhは全体の1.98%だった(プラス分とマイナス分相殺後)。
北本連系線の1時間あたりの平均供給力は、1年間の供給力618680MWh÷8760時間で約70.63MWh。つまり約7万キロワット時(プラス分とマイナス分相殺後)。
北電全体の1時間あたりの平均供給力は、1年間の供給力が31245478MWh÷8760時間で約3566.83MWh。約357万キロワット時。
もう少し詳しくみていく。
まず、「北本連系線」は緊急送電線とのことだが、これは、一体どの位稼働していたのか?
1年間8760時間の内、
プラスの数値(購入分)の総時間は7418時間で763453MWh。
マイナスの数値(販売分)の総時間は794時間で-144773MWh。
0の数値(稼働していない)の総時間は548時間。
(1KWh以下で稼働している可能性もあるので、548時間以下かもしれない。)
つまり1年の内、約93.74%は稼働していた。
稼働時間の内、プラス(購入分)の時間の割合は90.3%。
マイナス(販売分)の時間の割合は9.7%。
稼働時間の内、9割の時間帯は購入していたことになる。
プラスの数値(購入分)の1時間あたりの平均供給力は約10.3万キロワット時。
マイナスの数値(販売分)の1時間あたりの平均供給力は約−18.2万キロワット時。
少ない時間で大量に販売していた?
次に、60万キロワット最大限使うのはどんな場合か?
「北本連系線」の1時間毎供給力のプラス数値(購入分)上位10とマイナス数値(販売分)上位10位をみてみる。
プラス(購入)上位10。
1位 2017年12月12日15時 19.9万キロワット時(489.6万キロワット時:全体)
2位 2018年2月23日4時 19.6万キロワット時(483.6万キロワット時)
3位 2017年12月11日18時 19.5万キロワット時(457.9万キロワット時)
4位 2017年12月11日17時 19.4万キロワット時(468.6万キロワット時)
4位 2017年9月1日13時 19.4万キロワット時(339.9万キロワット時)
6位 2017年12月11日16時 19.3万キロワット時(469.5万キロワット時)
7位 2017年12月15日17時 19.1万キロワット時(467.9万キロワット時)
7位 2017年9月1日15時 19.1万キロワット時(341.1万キロワット時)
7位 2017年9月1日14時 19.1万キロワット時(343.7万キロワット時)
10位 2018年2月24日18時 19.0万キロワット時(452.3万キロワット時)
10位 2018年2月22日3時 19.0万キロワット時(488.0万キロワット時)
10位 2017年12月12日18時 19.0万キロワット時(487.0万キロワット時)
10位 2017年12月12日14時 19.0万キロワット時(464.6万キロワット時)
2位 2018年2月23日4時 19.6万キロワット時(483.6万キロワット時)
3位 2017年12月11日18時 19.5万キロワット時(457.9万キロワット時)
4位 2017年12月11日17時 19.4万キロワット時(468.6万キロワット時)
4位 2017年9月1日13時 19.4万キロワット時(339.9万キロワット時)
6位 2017年12月11日16時 19.3万キロワット時(469.5万キロワット時)
7位 2017年12月15日17時 19.1万キロワット時(467.9万キロワット時)
7位 2017年9月1日15時 19.1万キロワット時(341.1万キロワット時)
7位 2017年9月1日14時 19.1万キロワット時(343.7万キロワット時)
10位 2018年2月24日18時 19.0万キロワット時(452.3万キロワット時)
10位 2018年2月22日3時 19.0万キロワット時(488.0万キロワット時)
10位 2017年12月12日18時 19.0万キロワット時(487.0万キロワット時)
10位 2017年12月12日14時 19.0万キロワット時(464.6万キロワット時)
9月1日以外は、全体の電力需要が大きい時期だ。
9月1日はもしかして防災の日のため?
マイナス(販売)上位10。
1位 2018年2月2日10時 -53.5万キロワット時(448.8万キロワット時:全体)
2位 2018年2月2日11時 -52.3万キロワット時(438.3万キロワット時)
3位 2018年2月2日13時 -51.5万キロワット時(416.6万キロワット時)
4位 2018年1月22日9時 -51.0万キロワット時(478.7万キロワット時)
5位 2018年2月2日12時 -50.8万キロワット時(403.4万キロワット時)
6位 2018年1月22日11時 -50.2万キロワット時(449.7万キロワット時)
6位 2018年1月22日13時 -50.2万キロワット時(448.9万キロワット時)
8位 2018年2月12日19時 -49.0万キロワット時(462.4万キロワット時)
9位 2018年1月22日12時 -48.8万キロワット時(430.2万キロワット時)
10位 2018年2月12日20時 -47.8万キロワット時(460.8万キロワット時)
2位 2018年2月2日11時 -52.3万キロワット時(438.3万キロワット時)
3位 2018年2月2日13時 -51.5万キロワット時(416.6万キロワット時)
4位 2018年1月22日9時 -51.0万キロワット時(478.7万キロワット時)
5位 2018年2月2日12時 -50.8万キロワット時(403.4万キロワット時)
6位 2018年1月22日11時 -50.2万キロワット時(449.7万キロワット時)
6位 2018年1月22日13時 -50.2万キロワット時(448.9万キロワット時)
8位 2018年2月12日19時 -49.0万キロワット時(462.4万キロワット時)
9位 2018年1月22日12時 -48.8万キロワット時(430.2万キロワット時)
10位 2018年2月12日20時 -47.8万キロワット時(460.8万キロワット時)
2月2日、1月22日、2月12日に集中している。
意外だったのは、他の電力会社へ販売していた時期が、全体の電力需要が多い時期だったことだ。
また、「北本連系線」はこれまで最大60万キロワットだったが、購入時については20万キロワット以内といった制限を設けていたのだろうか?
ちなみに、昨年9月の北海道地震後の数値をみてみると、購入時において、一時的には、60万キロワット近く購入していた。
ところで、「北本連系線」は誰が所有しているのだろうか?
報道によると、「北本連系線」の既設60万キロワット分はJパワーが所有している。
この「北本連系線」を通じて本州から北海道に流入する電力量は年々増加していて、その背景にあるのは、本州系新電力の道内での販売攻勢のようだ。
稼働時間の内、プラス(購入分)の時間の割合が90.3%なのは、これが理由だろうか。
今回増強した30万キロワット分の設備は北海道電力が保有するとのこと。
また、「北本連系線」のさらなる増強を国は検討しているようだ。
日本のエネルギー自給率向上のために、北海道で生み出した再エネは日本全体に送って欲しいので、どんどん「北本連系線」は太くしてほしい。
太くなれば、北海道の電力も安定することにもつながる。
〇北海道の再生可能エネルギー割合
〇これまでの記事
〇節電に役立つツール
〇情報サイト
北電「北海道エリアの需給状況」



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