こんにちは、エスカルジュニア(夫)です。
これまで、女川原発2号機の再稼働にあたり、「乾式貯蔵施設」について記事にしてきました。
2024年6月9日 朝日新聞
『原子力発電所を持つ大手電力各社が、「乾式貯蔵施設」と呼ばれる使用済み核燃料の保管施設を原発敷地内につくる動きを進めている。
核燃料サイクルの完成が遅れて、各原発内の燃料プール(湿式)が向こう数年でいっぱいになり、原発を動かせなくなる状況を回避するためだ。
各社とも一時的な保管とするが、核燃料サイクルが進まなければ、「最終処分場」になる恐れもある』
ここで、1つのキーワード『核燃料サイクルの完成が遅れて』についてみていきたい。
『原発の運転で出る使用済み核燃料は、青森県六ケ所村にある再処理工場に運ばれる計画となっていますが、完成時期が遅れているため、全国の原発に置かれた状態。原発の立地自治体からは、施設内に長期間にわたって使用済み核燃料が置かれるのではないかという懸念』があるようです。
六ケ所村にある再処理工場が完成すれば、各原発の運転で出る使用済み核燃料を相当期間冷やした後、『乾式キャスク』に移したうえで、そこへ移送していく。
ただ、まだ、六ケ所村にある再処理工場が未完成のため、『乾式キャスク』のまま各原発敷地内の「乾式貯蔵施設」に保管しておくということだと思う。
そこで、この未完成の青森県六ケ所村にある再処理工場について調べてみたい。
2024年3月10日東京新聞
2024年9月16日東京新聞
青森県六ケ所村にある再処理工場とは?
『原発の使用済み核燃料からウランやプルトニウムを取り出し原発で再利用する核燃料サイクルの肝になる再処理工場(青森県六ケ所村)』
『2024年8月23日、日本原燃は、「2024年度上期のできるだけ早期」としてきた完成時期を延期すると県と村に伝えた。
延期は27回目で、約2年半延期して2026年度中の完成を目指す方向で調整している』
1993年に着工1997年竣工予定だったが、様々なトラブルが相次ぎ延期は27回目。
『再処理事業を担う国の認可法人「使用済燃料再処理・廃炉推進機構」(青森市)は今年6月、再処理工場と、取り出したウランとプルトニウムで作るMOX燃料の工場建設に伴う総事業費は計約17兆5000億円になったと発表した。
昨年度よりも4200億円増え、膨らみ続けている。電気料金を通じて国民が負担している形だ』
約17兆5000億円ということは、まだ未稼働の六ケ所村再処理工場のために、目に見えない形で、これまで国民一人あたり約150,000円。4人家族で約600,000円支払ってきた。
しかもこの六ケ所村再処理工場は『核燃料サイクル』の内のまだ一部分であり、すべてではない。
着工開始から4年で完成の予定が、30年経った今も開始されていない。
30年で17兆5000億円ということは、年間6000億、国民一人あたりにすると年間約5,000円。
これを目に見えない形で支払ってきた。
今後も費用が膨らむ可能性もある。
「乾式貯蔵施設」という発想は、『核燃料サイクル』の完成が遅れていることに対する、苦肉の策となっている。
27回目の延期で、4年後竣工だった予定が、30年経っても未だに完成しないということは、『核燃料サイクル』の完成が「遅れ」ではなく、『核燃料サイクル』が「破綻」しているともいえるのでは。
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